物流不動産ビジネスとは

一言であらわせば、物流の業態化に不動産を取り込んだビジネスです。業態とは提供の方法を言いますが、従来の物流ビジネスにおける営業は、お客様である荷主に「(預かる、運ぶ)貨物はありませんか?」と聞くだけの、いわば御用聞き的なものでした。
物流が、製造から販売までの広範囲をカバーするロジスティクスと呼ばれるようになってから、このような受身的な御用聞き営業では成り立たなくなっているのはご承知の通りです。現在、産業界において最も多くの不動産を所有しているのは製造業ですが、ランキングでは不動産デベロッパーの次に物流業がくるのです。しかし物流業者の保有している不動産は、物流用途に限定され最大収益化されていないのが現状です。物流形態が変化し、新型の倉庫が大量に供給され、加速度的に従来型の倉庫が空きはじめました。物流不動産ビジネスは、この空いた倉庫を物流用途に限定することなく多目的に活用するところからはじまります。その過程で、物流ノウハウに加えて不動産や建築、金融、流通、ITなどの業務ノウハウを獲得し、営業ツールとして取り入れることで物流営業を積極化して業態化につなげるというものです。
空いた倉庫を個性的なオフィスやスタジオにリノベーションして収益化することもメニューの一つですが、物流不動産ビジネスの本来の目的は物流事業の収益拡大です。自社の不動産を活用するためにも不動産業務が占める割合は大きくなりますが、いわゆる不動産業とは大きく異なります。

これからの物流はどうなる?

これから先、どんなに世の中が進歩しても物流がなくなることはありません。ただし、現在の物流企業が同じようなやり方で存続していくのは非常に厳しいでしょう。ここ数年で物流は劇的に変化しました。サプライチェーンや3PL、オムニチャネル、Mega倉庫(超大型最新物流施設)といったキーワードの誕生とともに、一層の物流効率化が進んで、従来の物流企業が根底から変化しなければならないパラダイムシフトが起きているのです。流通業やサービス業から、商流物流を一体化した企業も登場しています。
物流はモノを運べばいい、モノを預かっていればいいという専業の時代はとうに過ぎ、今や物流は商流や情報発信そのものになっています。一方、大手物流企業は様々な分野の企業と積極的にM&Aや業務提携をすすめており寡占化が進行しています。物流サービスのマーケットは95%を中小の物流企業が占めております。急激に進む大手による寡占化の流れにより中小物流企業の経営はさらに厳さを増していきます。早急に何らかの有効的な手を打たなければならないなか、私たちが提案するのが物流不動産ビジネスです。

物流不動産ビジネス誕生

15年前に省庁再編により国土交通省が誕生しました。それまで物流業は旧運輸省が、不動産は旧建設省が所管していました。二つの省が国土交通省という一つの省になりました。国交省になっても倉庫業は、お客様の資産である貨物を倉庫という空間で預かり収益を得ています。不動産業も、土地や建物という空間の開発や賃貸をメインとして収益を得ています。どちらも不動産のスペースを活かして収益を得ているのですが、権利関係や営業手法がバラバラで今日までその両方を融合し活かしたビジネスモデルはありません。どちらも空間を活かしたビジネスなのになぜ融合していないのか。その疑問がきっかけとなって生まれたのが物流不動産ビジネスです。
とはいえ実際に土地建物を活かそうという場合、物流業者と不動産業者では発想も方法も異なります。物流不動産ビジネスは、両者を有機的に結合させることでより多くの収益を得る仕組み化を図ります。いわば良いとこ取りです。そしてそこから派生するビジネスチャンスは、無限大といっていいほど可能性に満ちています。物流と不動産の融合は「1+1=2」に留まらず、答えが5にも10にもなるのです。

変化の波に乗るために

物流業は全産業の基礎となる重要な産業です。パラダイムシフトについていけない企業や人には、大きなピンチです。しかしこの変化の波に乗ることができる企業や人にとっては、千載一遇の素晴らしく大きなチャンスであると感じています。
昨今、不動産業と金融業は不動産の証券化によって一体化が進行しております。高度な情報産業である金融業界との不動産業の一体化は物流不動産ビジネスの情報化も促し、その基礎となる物流業の情報産業化にも波及しています。今までの「貨物ください」といった受け身の営業からから、どこに貨物が存在し、どこに運ばれるのかという情報に触覚が働き受動から能動に激変するのです。
高度情報産業の金融に加え情報化した不動産と物流の三者が融合することによって、それぞれの業界からさらに莫大な情報が集まります。物流を基軸にして、金融と不動産といった他のビジネスを同時並行的に進めることがいかに有益かが理解できると思います。

鍵は「IoT」と「人財」

他のビジネスと同様に、物流不動産ビジネスを成功に導くポイントは「IoT」と「人財」であると考えています。
イーソーコグループではIoT技術を組織営業の基盤に置いて、スタッフ間の情報共有と業務の見える化に活用しています。スタッフ個人の日常をスマートフォンやタブレットで共有することで、業務のスピード化と確実性の向上を図っています。さらにスタッフがお客様との面談で得た物件や物流の公開を必要とする情報は、専用サイトで瞬時に展開されます。(もちろん守秘義務契約の範囲です)。IoTは、お客様の利便性にもつながっているのです。
不動産業界にありがちな個人営業ではなく、組織一体となってお客様に応対するスキームの陰には、若い柔軟な人財があります。今までの常識や慣習にとらわれていないニュートラルな人財を採用し、イーソーコグループが20年間にわたって培ってきたノウハウを吸収してもらいます。
イーソーコグループでは物流サービスのあらゆる関連分野に精通した人財を「物流不動産ユーティリティープレイヤー」と呼んでいますが、当社で学び、育った「物流不動産ユーティリティープレイヤー」はすでに全国の物流企業で活躍しています。彼らが「3K=暗い・きつい・危険」といわれた物流を、「新3K=稼げる、カッコいい、感動する」といった魅力的な業界に変えてくれると期待しています。
イーソーコグループは、物流不動産ビジネスを通じた物流の改革を目指しています。「革命」ではなく「改革」という言葉を使ったのは、今の物流の仕組みをできるかぎり活かしたいと考えているからです。物流を活性化させたい。若い人達に物流を夢のある業界にしたい。そして儲かる業界にしたい。その思いがあるからこそ、イーソーコグループは物流を基軸に置き続けています。だからこそ、まずは私たちが活気のある会社にならなくてはなりません。夢のある会社にならなくてはなりません。そして社員が高収入の会社にならなくてはなりません。何より、努力が報われるような会社にならなくてはならないと考えています。